2012年2月10日金曜日

補聴器、無惨なり

ちょいと事情があり、春くらいにまとまったお金が必要になるかも知れない。

現在の我が家の経済状況からはちょっと捻出できそうにないので、最終兵器「お母さん」に相談しようと思った。
最近は毎週実家へ顔を出しており、今日ちょうど行く予定だった。

実家へ行くといつも大はしゃぎで私を出迎えてくれる愛犬ムク。
 ムクにじゃれつかれながら上着を脱ぎ、カバンを置いてリビングへ。

両親としばし談笑していると、キーーーーンという音が聞こえた。
マイクのハウリングのような音だ。
父が使っている補聴器が、耳から外した時にこんな音が出る。

テーブルの上にでも補聴器が置いてあるのかと思い、探したが見当たらない。
すると母が
「あーーーー!!」
と叫んで私の後ろの床を指差した。

そこには…

お行儀良く座っているムクと、その足元に無惨にもバラバラにされた補聴器が転がっていた。
テーブルの反対側には補聴器のケースも落ちていた。
ムクがテーブルからケースごと落とし、飛び出した補聴器を噛み砕いてしまったようだ。

母は膝から崩れ落ち
「またやられた…29万もしたのに…」
と頭を抱えた。

それはスイス製で、父の耳の形に合わせて作ったオーダーメイドだった。
実は先月にもムクにやられ、作り直したばかりだったのだ。
それが一ヶ月もたたずに再び破壊されてしまった。

「お前は16万、この補聴器は29万するのよ!」
という母の言葉には笑ってしまったが、ムクを責めても仕方ない。
何を怒られているかはわかっていないようだが、なんとなくバツが悪そうな顔をしているムク。

また補聴器を作り直せば、先月と合わせて58万かかる事になる。

「しばらくメザシで生活するしかないね」
と父に冗談めいて言う母。

できた息子なら
「父さん、母さん、僕が買ってあげるよ!」
とでも言い放つのだろうが…。

そんな状況で
「お母ちゃん、お金貸してけろ」
なんて言える訳なかった。

2 件のコメント:

  1. はにかみやのはにぃ2012年2月12日 19:43

    「お前は16万、この補聴器は29万!」
    あははははっーo(≧▽≦)o

    それにしても、男性が毎週実家へ顔を出す、ってすごいねー。
    うちの兄貴はもう10年ぐらい顔見てないや。

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    1. はにぃさん

      母が父を老々介護しているので、お手伝いに行ってるんです。
      今まで兄に任せっきりだったので、ちょっと親孝行しなきゃと反省しまして。

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