2012年4月13日金曜日

うんこ財布

出先で少し空き時間ができたので、時間潰しのために久々に漫画喫茶へ入った。


読み逃していた漫画を読みつつ、キジを撃ちたくなったのでトイレへ。
ケーンケーン!!
(男性が大をしに行く事を「キジを撃ちに行く」と言うらしい)


見事にキジを撃ち終え、トイレットペーパーに手を伸ばす。


すると!
ペーパーホルダーの上にどーーんとお財布が乗っているではないか。


ほうほう、これはこれは。


ブラウンの長財布。
一応開いて中身を確認。


お金は数千円ってトコか。


免許証が目に入る。
少し引き出してみると、石川遼くん似のイケメンだ。
石川遼クンニじゃないよ。


トイレを出て、受け付けに届けようと思って、財布を手に持ったまま通路を歩く。


すると!


見覚えのある石川遼クンニの青年がこちらに向かって歩いてくる。


そしてその視線は、私の手元に釘付けだ。


何かいいたげな感じで、口を半開きにしながら歩行速度を落とす石川遼クンニの青年。


泥棒と疑われているかのような視線に耐えきれず、自分から
「これですか?」
と財布を差し出した。


「あー、ありがとうございますーーーー!」
と頭を下げながら、さっそく財布を開いて中身をチェックしている。


中身盗ってたら、敢えて見えるように手に持って歩かねーよ!


盗ったどころか、むしろプラスしてやったと言っても過言ではない。


なぜならば、うんこして洗っていない手で触っているから、大量の大腸菌が付着しているのである!


疑われた分だけ大腸菌でお返しして差し上げた。


こうしてプラマイゼロ(?)で幕を閉じた、今回の漫喫事件簿でした。

2012年4月11日水曜日

エスカレーターをせき止める男。

普通エスカレーターでは急いでいる人は歩き、そうでない人は左側に寄って立ち止まりますよね。(関西は右のようですが)


しかしそれは二人幅のエスカレーターの場合。


地元の駅には、一人幅のエスカレーターがあります。
それに乗る時、大抵の人は、歩きますが、私は歩きません。


おそらく、急いでいる人が歩いてくるから自分が止めるわけにはいかない、という強迫観念からか、多少疲れていてもみんなに合わせて歩くのではないかと思われます。


確かに急いでいる人もいるでしょう。
でもそんなん知ったこっちゃないし。
楽をしたいから乗ってる人が多数なんだから、歩きたい人は階段使いなさいよ、と思います。
階段を一段飛ばしくらいで駆け上がっちゃいなさいよ。
という思いから、私は敢えて歩かない事にしています。


「急いでいる人を歩かせてあげる」
よりも
「疲れている人を休ませてあげる」
方が優先されるべきだと思うのです。
エスカレーターはそのために存在しているのだと思います。


先日、妻と一緒に一人幅エスカレーターに乗り、私が歩かないでいると、妻が焦って
「後ろ詰まってるよ!」
と言ってきましたが、
「ワザとだ!(キリッ)」
と言い放ってやりました。



しかし以前、一人幅エスカレーターで立ち止まっていた私を押し退けて上っていった猛者がいました。
どんだけ急いでたんだい。
きっと肛門様から何かが生まれそうだったに違いない。

2012年4月4日水曜日

悲しい漫研部員

少年は高校時代、漫研に入っていた。

自身を含め10人くらいの部員がいたが、男は彼と部長の2人だけだった。

今考えるとステキな環境だが、部活に行っても女子達は延々と腐女子トーク(当時そんな言葉は知らなかったけど)をしていて、彼はそれがちょっと苦手だった。

部長は典型的なオタクキャラだった。
なかなか話も合わず、結局少年は部活中、ずっと一人でイラストを描いていた。

夏休み、漫研のみんなで合宿に行く事が決まった。
修学旅行などと違って、漫画を描くという目的のために仲間と泊まりがけで出掛けるなど初めての事だったので、彼は楽しみだった。

前日に漫画道具をひとつひとつ確認し、インクがこぼれないようにビニール袋に入れたりして、準備万端で当日を迎えた。

しっかり朝御飯を食べ、家を出た。
いざ、待ち合わせ場所へ。

しかし、彼は絶望的に方向音痴だった。
待ち合わせ場所にたどり着けない。

確か大通り沿いのどこぞのバス停だった。
そんなに分かりにくい場所ではなかったはずだが、なんとなくわかる程度の認識で出発したようだった。

歩けども歩けども、仲間が集まっている場所は見当たらない。

そして待ち合わせ時間が過ぎる。
当時は携帯電話など無い。
約束の時間を30分程過ぎ、少年は諦めた。
とりあえず公衆電話から自宅に電話してみた。

「さっき先生から、アナタが来ないって電話があった。これ以上遅れても迷惑かかるからどうぞ先に行って下さい、って言っておいた」
と母。

こうして初の漫研合宿でおいてけぼりを食らった少年。

これがきっかけとなり、彼はその後、部活に参加しなくなった。
授業が終わるとさっさと家に帰り、一人黙々と漫画を描いていた。

ゲームをするか漫画を描くのが一番の楽しみだった。
ファイナルファンタジーの新作が出たら、学校をサボってプレイし、誰よりも早くクリアしてやる、と躍起になっていた。

高校の友達といえば3人程しかいなかった。
その友達とゲーセンに行ったりするのも、なんだか無駄な時間に思えてしまう事があった。
その位、彼の心は荒んでいた。

卒業アルバムに載せる、漫研の集合写真も拒否した。
学校もしょっちゅうサボるようになり、最終的には卒業式までサボった。



正直言って高校生活にいい想い出など一つも思い当たらない。

もし昔に戻れるとしたら、高校時代に戻って、青春をエンジョイしたい、などと彼はたまに思う事もあった。

しかし、あの暗黒時代があってこそ、今の自分があるのだと、34のおっさんは前向きに考えられるようになった。